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繰糸(そうし)

繰糸とは繭から繭糸を引き出し、何本かをあわせて1本の生糸にすることです。

 繭一粒の重さは約2~3gで、糸になる部分は蛹(さなぎ)などの重さを差し引くと0.5g程。 

 長さが1キロメートル以上もある繭糸は、一定の太さではありません。

 生糸の太さを計る単位はd(デニール)で、数が多くなるほど太くなります。

 蚕が最初に吐く外側部分の繭糸は、繭作りの足場糸となり、鳥や害虫から蛹を守るために、丈夫で太い糸です。

 最初の繭糸は3.5デニール程の太さで、そのあとの100~200mは約4デニールの太さになります。そして徐々に細くなり、最後の内側の糸は約1.5デニールと細くなります。

 この最初の太い繭糸は毛羽(けば)、それに続く繭糸はキビソと呼ばれています。

 最後の、糸を取らずに残った蛹を包む薄い膜のような部分はビス(蛹[よう]しん)といいます。

 毛羽・キビソ・ビス部分は、均一な生糸を引くには不適当なので、より分けられます。
 

キビソ(生皮苧)
 毛羽(けば)に続く部分の繭糸を、キビソ糸といいます。

 まだ蚕が一定の太さで、きれいな糸を吐くことができない練習段階の糸です。

 索緒(さくちょ)装置で剥ぎ取られたキビソ糸は、枠から外して、乾燥します。

※絹糸紡績の原料となります。
 

ビス
 最後の蛹を包む薄い膜のような部分で、ビス糸は太さが一定ではありません。

 ビスは、副蚕処理機で蛹とより分け、乾燥し、絹紡糸工場へと送られます。

※絹紡糸:繭糸を短繊維にして紡績した絹糸。

※蛹も魚のえさとなるので、養鯉業者に売却されます。
 
 全長約1200m~1500mの繭糸のうち、生糸にできる部分は、キビソ、ビスなどを除くため、長さは約85%の1100m~1250m位で、繭の全重量からすると約20%の0.4gということになります。
 

索緒(さくちょ)・抄緒(しょうちょ)
 繰糸作業の前の、キビソの部分を剥ぎとり、適切な太さの糸口を見つける工程を、索緒(さくちょ)・抄緒(しょうちょ)といいます。

 実子箒(みごぼうき:稲穂でできた箒)で繭の表面をこすって、糸口を見つけます。

※生糸が作られる糸道の1つ1つを緒(ちょ)と呼びます。
 

巻き取られたキビソ
 キビソ部分を巻き取って剥ぎ、繰糸に必要な1本の糸口(正緒:せいちょ)を探し出して、給繭器へ送ります。
 

繰糸(そうし)
 繰糸とは、繰糸槽にある6~10個の繭から引き出された繭糸を、集緒器に通して1本にまとめ、さらに撚りをかけて巻き取る工程のことです。
 

自動繰糸機
 ベルトコンベアーに載った給繭器が繰糸部の周囲をクルクルと巡回し、内側にある繰糸槽に浮かんだ繭から糸を引き出し、束ねて巻き取る機械です。

 写真手前部分が索緒(さくちょ)・抄緒(しょうちょ)装置で、奥に見えるのが繰糸部です。
 

 この過程で使われる集緒器は、陶器又はセラミック製で、作る糸の太さによって違いますが、直径およそ0.2~0.4mmの穴があいた部品です。

 この集緒器は、糸に節のあるところを見つける役割も持っています。

 繊度感知器は、2枚のガラス盤の間を糸が通る時の摩擦力を計って生糸の太さを感知するもので、糸の直径を1000分の1mmの精度で測ることができます。

 繰糸槽の繭の一つが繰り終わったり、糸が切れたりすると、繰糸している生糸が細くなったことをセンサーで自動的に感知し、給繭器出口が開かれ、待機していた繭が必要なだけ繰糸槽に補給されます。

 それを回転式接緒器がヘリコプタ-の羽根のように回転して、補給された繭の糸口を吸い上げてキャッチし、細くなった糸に巻きつけてもとの太さに戻します。

 集緒器や繊度感知器、回転式接緒器などが、何らかのトラブルを感知すると、最上部の小枠停止装置が働いて巻取りを中止します。
 


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