ガレコレ
Garage Collection
 
2016年1月21日(木)
『人生の約束』観てきました。 #本・音楽・映像

 先週の15日(金)夜に、観てきました。少女Aと映画行こうとの約束だったので、『スターウォーズ』かなと思っていたら、それはロングランなので、先に邦画でしょと言われて、あら嬉しいねえ。でも、1月30日公開『さらば、あぶない刑事』のほうが超気になっているようで、『スターウォーズ』はしばらくお預けのようです。

 昨晩、母に電話したら、9日(土)の封切り日一番最初に観て来たよと言われました。仕事休みに重なったとはいえ、地元愛ですな。高知の15日(金)レイトショーではたった6名で、全国的には大コケと言われていますが、富山県では連日満席とのこと。新湊の曳山やからと、他の市町村の人はケチをつけて観ないかなと思っていたけど、そうでも無いらしい。良かったね。

 高知県には2000年1月から住んでいますが、シネコンは初めて。イオン高知の3階に上ると、わ~凄いホール、キャラメルポップコーンの香りがたまらん(あとで、買ってもらった)。予約の操作も簡単や。

 まずは、イオンのレストラン街でお食事(これは、私のおごり)。映画のチケットを見せるとサービスがあるんだね。ちょっとお得。

 さて、ようやく映画のお話し。内容のネタバレ以外で述べていくね。

 まあ、出来は60点ぐらいかな。アングルがテレビっぽいと思ったのは私だけでしょうか?そして、せっかくの良き立山連峰のカットを使い回し過ぎで、感動が薄いです。自分の中学時代、自主トレのランニングの折り返し地点で、座り込んで眺めていた風景だけに残念です。

 内川にかかる橋は、自分が大人になってから置き換わったものなので思い入れはありませんが、元実家に一番近い『東橋』は、ステンドグラスが綺麗で、これがよく分からなかったですね。海の漁船が川に係留されているのは、新湊独特の風景です。小さい頃はドブ川で、自転車のブレーキが利かずに落っこちたこともありました。

 石橋冠監督の奥さんである元日本テレビディレクター大井紀子さんが新湊出身だそう(http://webun.jp/item/7134924)で、それで今回の映像かと思うと納得。最大の疑問でした。

 ただ、ITバブルやM&Aは過去の話題という感が拭えず、竹野内豊が役員に怒鳴るシーンも、テレビドラマ等で見慣れていて色褪せています。豪華絢爛なキャストも、監督への恩返しなんだろうけど、んー役不足が否めずで、役者陣が可哀想。

 曳山は、子供の頃から観ていますが、映像上幾つか引き算した結果、つまらないものになっているように思えます。13基全部揃っていたのかもよく分からず、説明不足かな?映画撮影に4基使い、実際の祭りの映像も合わせたと聞いています。ちなみに、東町はあっても西町は架空の町名なのであしからず。

 説明不足と言えば、方言。「つかえん」が標準語のように多く使われていたけど、話の流れで悟ってというのは無理があったようですよ。直訳的に標準語に戻すと「気をつかわんでいいよ」。中程のシリアスじゃない場面で、座布団や箸を使う使わんのくだりを用いるなど、笑いを誘う余裕があっても良かったのではないでしょうか。

 曳山の掛け声は「イヤサー、ァ、イヤサー」。あえて小さなアを付け加えさせてもらいました。高知県奈半利町では「チョーサイヤー」ですね。

 曳山に「繋がる」のを西田敏行が熱弁していましたね。私は、若い時分から新湊を離れて、曳山を引いたことが無いので、ある意味後ろめたい気分で観ていました。そんな気持ちがあるので、大人になってからは、住んだ場所場所でのお祭りに積極的に参加しています。

 でも、曳山に「繋がる」とは言わなかったよなあ。これだけは標準語だね。あえて言えば『つがる』かな。「曳山から弾き飛ばされんように、ちゃんとつがっとけ」と言っていたような。人ひとりの力はたかが知れているが、ちかっぱい(力一杯)やることで、自分が曳山を動かしているのではなく、曳山に自分が動かされているといったイメージかな。実際に、幼馴染のHくんは骨折したこともあったっけ。曲がり切れずに家は壊すは、思い出すと笑いがこみ上げてきます。

 娘役は可愛かったけど、子供の発想で行動している設定だと思いますが、それが上手く伝わってきませんでした。キー役だっただけに、もう一捻りあったり、指導があれば良かったのにと思います。

 また、今の話なのか、昔の話なのか、時間的な流れに迷いますね。北陸新幹線で東京とあっという間に行き来できる今日、その時間の切り替えにも付いていきにくいなあ。90分前後の映画にまとめるというのは、難しいんだろうね。

 従妹は分からなかったけど、誰か知った人がいないかと探してみると、2人ほどそんな感じの人がいました。というより、江口洋介は、同級生のOくん(あだ名ではYんま)にそっくり。立川志の輔は同じ南立町出身で、室井滋は富山県出身なので、素で富山弁なのは当たり前だけど、他のキャストの人たちもこんな人おったと思えて、新湊ってこんなとこだったよなと、地元出身ならではの楽しみ方ができました。

 ビートたけし演じる刑事役名は『岩瀬厚一郎』で、なぜまあわざわざ私とよく似た名前にしたのか。曳山で昔右足を痛めてとあり(私は中学のバスケットボールで右ひざ)、ますます自分に対して「新湊に帰ってこんがか」と言っていると思えてなりません。昨年3月に、この映画を観ていたら、富山に帰っていただろうな。まあ、これが人生の皮肉なところですね。役柄的には、死んだ親友の『塩谷航平』とよく似た人生を歩んでいるような気がしました。

 私の故郷を題材にした映画なので観てほしいのですが、岡目八目でみて、胸を張ってお勧めできないかな。観光PR動画として、トドロの生まれ故郷『新湊』を味わってみて下さい。

 私にとっては、大切な人と観に行けて良かったと思える作品になりました。映画は、何を観るかではなく、誰と観るかという言葉を思い出しました。


P.S. 地元の南立町の標識は『五三の桐』でした。こんなことも忘れてしまっていて、ああ情けない。

P.S.2 四十物町[あいものちょう]、辞書変換したよ。地元ではさらになまって、[あいもんちょう]だったとはず。映画とは別に、富山県の地名で、石動[いするぎ]、滑川[なめりかわ]も。もーびっくり。石川県の倶利伽羅[くりから]もね。

P.S.2-2 四十物町の『町』だけ[ちょう]で、他は[まち]。

P.S.3 『新湊曳山まつり』は、放生津八幡宮の祭礼に合わせて10月1日に行われます。私は、13基すべて出揃ったところは観たことが無く、この映画を機に、新湊曳山が活気付くことを願っております。

P.S.4 内川に落ちた自転車は、今思えばKくんの親父さんに引き上げてもらったのだと思います。ちゃんとお礼を言えてたかな。海で素っ裸で遊んでいて、服が流されて、ランドセルだけで、内川の裏道を電柱に隠れながらこそこそ帰ったことは、人生最高の笑い話。

P.S.4-2 かなり小さい頃、こっそり一人で町内を一周してきて(実際は1ブロック)、「世界一周してきた」と言ったのが笑えたそうな。今でも、その時の光景は覚えています。特に、背戸道のお魚屋さんに声かけられたことは嬉しかったっけ。
 
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