ガレコレ
Garage Collection
2025年7月15日(火)
異常気象について #◎気象・災害
 今年も暑いですが、昨年と異なり、奈半利町平地区の台地にある自宅では、昼も夜も風が入ってきています。日の出の頃は、寒いくらいで、例年通りの気候です。クーラーも、テストとして夕方2時間稼働させただけです。



 さて、『地球温暖化』が言われるようになってから、随分となります。この間も、大気中のCO2濃度は上昇し続けています。気温も確実に上がり、異常気象が多くなったことは否めません。



 自分はゼネコンの研究員時代に、サンゴ礁や共生藻を対象に、CO2削減に繋がるであろう研究を、約5年間やっていました。

 しかし、学べば学ぶほど、根底が崩れていきました。造礁サンゴの石灰化は海中に溶けるCO2を減少させるので、サンゴ礁はバイオマスとしての炭素固定にのみ寄与していると、理解しています。共生藻(渦鞭毛藻)は、共生環境で、代謝経路が変化して、炭素固定率が高くなることは把握しましたが、研究目的である『共生藻の宿主因子の解明』から大きく外れるもので、自分は出向先の研究所(MBI)から出向元に戻りました。



 地球温暖化を論じるに当たり、幾つもの因子を知ることが大切です。近年の気温上昇は、確かに人間の活動によるCO2濃度上昇に伴うものです。しかし、大気中のCO2濃度の上昇を食い止めることが、必ずしも命題ではありません。

 問題は、地球に住む人間が、自分たちが決めたにも関わらず、大気中のCO2濃度をコントロールできないことにあります。

 科学者には、マクロと沢山のミクロの眼を持ってもらいたいと願っています。



 議論することは、多岐に渡ります。

①CO2濃度
②その他の温室効果ガス
③海洋の大流周期
④太陽の活動周期
⑤氷河期の周期



【⑤氷河期の周期】

 10万年周期ともいわれる氷河期ですが、天文学的な要因(ミランコビッチ・サイクル:離心率/地軸の傾き/歳差運動)と地球の内部要因が組み合わさることで説明できます。

 恐竜が繁栄したジュラ紀はとてつもなく長く(約2億100万年前〜1億4500万年前)、数え切れない程の氷河期を乗り越えています。恐竜が絶滅した原因説は多数あり、自分も子供の頃からの関心事ですが、ここでは割愛します。

 氷河期は、あと1万年以上先と言われているので、今回の議論から外しします。



【④太陽の活動周期】

 実は、これが無視できません。

 『シュワーベ周期』は約11年周期であり、太陽の磁場が反転する周期でもあります。

 2025年は、極大期であり、太陽フレアによる電磁波やコロナ質量放出などの活動が活発になり、地球への影響が懸念されています。

 なお、スーパーフレアは、今のところ太陽で観測されていませんが、通常フレアと比較して桁違いのエネルギーです。若い恒星では頻繁に発生しますが、太陽のような恒星では数千年に一度程度と言われています。

 2030年代には太陽活動が60%低下するという研究結果も発表されており、ミニ氷河期が懸念されています。おそらく、この研究を裏付けにして逆手を取り、トランプ氏の石油政策(国内石油・ガス開発の促進)が立案されたと考えています。



【③海洋の大流周期】

 海洋の大流周期は、黒潮の蛇行の様な短いものから、数百年から数千年単位で深層循環して海全体を大循環する海洋大循環があります。地球温暖化により、海水の冷却が衰えて、停止または弱体化することが懸念されます。

 特に、大西洋熱塩循環(AMOC)は、過去数十年で弱まっていることが観測されています。2025年にも停止する可能性があると指摘されています。

 また、ラニーニャとエルニーニョは、貿易風の強弱により起こるとされています。



【②その他の温室効果ガス】

 フロンは、温室効果ガスではありませんが、ここで説明しておきます。フロンは、オゾン層を破壊して、オゾンホールの拡大が懸念されてきました。フロン禁止により、オゾン層破壊物質の濃度は緩やかに減少しており、オゾンホールが回復してきています。
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1980年レベルまで回復
・2066年頃 南極
・2045年頃 北極
・2040年頃 その他の地域
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 メタンは、CO2より温室効果が高い物質です。牛のゲップも問題視されています。深海にあるメタンハイドレートを得るのに、漏れるメタンが問題となり、採掘の実用化を困難にしています。



【①CO2濃度】

 本題なので、最後に持ってきました。

 
 呼吸を考えると、1,000ppm(0.1%)が、人間が住める限界濃度と考えられます。人間の生体は、CO2濃度とO2濃度に反応します。

<大気中>

・ジュラ紀
 5%以上、または、1,000ppm~2,000ppm程度であったと推定

・産業革命前
 約280ppm

・現在
 約410ppm(0.04%)

<室内指標>

・1,000ppm以下
 快適な室内環境

・1,000ppm以上
 倦怠感、集中力低下、頭痛、眠気などの症状が現れ始めます。

・2,000ppm以上
 眠気、頭痛、倦怠感、注意力の低下などが顕著になり、作業効率が低下します。

・5,000ppm以上
 呼吸困難、意識混濁、パニック状態など、深刻な健康障害が発生する可能性があり、最悪の場合、命に関わることもあります。

・200,000ppm(20%)
 致死濃度。


 現代、化石燃料の定義が改まりつつあります。石炭は化石燃料ですが、石油や天然ガスはマントル由来と考えられるようになってきました。石油の採掘技術の向上もあり、無尽蔵とは言えなくても、尽きることがない現象から、マントル説が、浮上してきました。





 地球に住む生物にとって、このまま温暖化が進むのが良いのか、ここで踏み留まるのが良いのか、実は今2025年、判断が迫られています。戦争やっている場合ではないのです。

 太陽エネルギーを蓄え過ぎることは、単に気温や風速が徐々に上がるだけでありません。地球規模の大循環冷却システムが狂うと、一気に気象が激変します。

 昨年・今年の日本の夏を観る限り、分岐点に差し掛かっていることを、まざまざと感じます。この後2030年代に来ると言われているミニ氷河期にはどう対応しますか? 炎と氷でチャラになる考え方は、あまりにも稚拙です。

 現代の地球人は、自然の中に生かされていることを忘れています。自然災害から守ることは、政[まつりごと]の最重要な役目です。科学者が良き水先案内になることを、願っています。



P.S. 最悪のシナリオは、今年2025年に、大西洋熱塩循環(AMOC)が停止すると同時に、活動極大になっている太陽がスーパーフレアを発生することです。

 スーパーフレアの威力を知りながら、人類は完全に無力です。地球温暖化の影響は、まさに分岐点に立っています。

 今年2025年は、そういった特別な年なのです。

 あまりにも、日本の政治、世界の政治が、脇道に外れてしまっているのを歯痒く思い、ネットに煽動ともなる内容を、あえてまとめました。大き過ぎるテーマでしたかね?
 
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